棗坂(なつめざか)猫物語

猫目線の長編小説

シーズン ツー スタートのお知らせ

 ながらくご愛読頂きました『棗坂猫物語』のシーズンツーが、6月4日よりスタートいたします。概ね週1回のペースで更新予定です。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
登場人猫(犬)
ケイト雌のサバトラ白。元の飼い主を亡くし、放浪の末、薫の家の家猫になる。あざとく可愛いキャバ嬢気質。食べることが大好きなヒーリングキャット。お兄ちゃんキジトラ白の雄。ケイトの実の兄。人に飼われる事を好まず、半庭半野良猫生活を続ける。ショウ君雄の茶白の長毛(ノルウェージャンフォレストキャット)。薫の家の斜向かいの吉田家に住む。病気がちであまり外には出られないが、とても博学。ケイトの意中のヒト。サビコ雌のブチ猫。薫と吉田さんに避妊手術を受けさせられ、棗坂の地域猫となる。ケイトとは犬猿の仲だったが、避妊手術後は少し人間寄りな性格になる。カオル(黒住薫)棗坂に住む、ケイトの飼い主。ガーデニングが趣味の地味なアラフォー女性。サクラ(白川桜)薫の高校時代からの友人。占いとDIYの好きな、お洒落系大人女子。バツイチ。マスター(野口啓介)こだわりの店、アートスペース猫カフェマリエの店主。サクラの叔父。ママ(野口良枝)縁のあるものは何でも受け入れる、優しくて大らかなママ。20年前に亡くなった愛娘の名前をカフェにつけた。キョウヘイ(野口恭平)猫嫌いの陶芸家。マスターの甥でサクラの従兄弟。愛犬モカを溺愛するロックバンドのベーシスト。レイ雄のキジトラ。アートスペース猫カフェマリエに所属。無口だが頼れる親分気質。人間の女性(マドンナ)に恋をして、彼女の病気を治すために、ケイト達の指導の下、ヒーリングキャットとなる。カーティス左後ろ足だけ黒い、雄の白猫。ヒルで綺麗好き。人を引き寄せたり遠ざけたりするテレパシーキャット。ケイトに片思い中。エリック茶トラの雄。食べることが大好きで、太り気味。ヒーリングキャット。おっとりした気の良い猫。ジャニス雌の白黒。鼻の上に微妙にかかったり輪っか模様のブサカワ猫。チャームポイントの長い尻尾を使って、催眠術がかけられる。カワイイと言われる事が何より嬉しい。サリナブチの雌。人に触られるのが苦手なシャイガール。芸術家の表現力を刺激するインスピレーションキャット。オルガ雌のロシアンブルー。音楽家流山氏の元飼い猫。アートに詳しい優雅なマダム猫。ルチアーノ雄のペルシャ猫。黒で鼻の周りだけほんのり白い。オルガと共に死後の世界に元の飼い主を訪ねて行く。お茶目な性格。ナカムラ(中村)君市民交響楽団のバイオリニスト。故流山氏に師事しプロを目指していたが挫折。その後、音楽の本当の楽しさを知る。マドンナ(泉さん)元、中学の音楽教師。癌を患って仕事を辞め、実家の離れでピアノ教室を開く。レイのヒーリングによって回復する。ナガレヤマ(流山)先生中村君の師匠の高名な音楽家。三年前に脳梗塞で他界。あの世でも、オーケストラを率いて活躍中。キムラ(木村)さん桜の大学時代の友人。桜の占いを受けた後、保護猫ボランティア活動に参加する。タケヒサウタ(竹久うた)さん自称画家を目指すマリエのお客様。恭平とともに、二人展を開催する。メイ(芽衣)ちゃん占いを受けに来た、猫愛最強のお客様。看護師をしながら子育てに勉強に奔走中。ショウ君パパ・ママ(吉田夫妻)カオルの家の斜め前に住む、心優しき夫婦。ショウ君に、日常的な出来事を話しかけている。ナガサワさん(長澤夫妻)最初にケイトとお兄ちゃんに餌をくれた夫婦。面倒見が良い。ノザワ(野沢)さんマリエの常連さん。ケイトの大ファン。サトウ(佐藤)さんマリエの常連さん。ジャニスがお気に入り。モカ恭平の愛犬。ジャニスの催眠術で猫達と友達になる。恭平への忠誠心は半端ない。

 

 

あらすじ

    一緒に暮らしていたおばあさんが亡くなり、放浪の末、新たな同居人カオルと暮らしはじめた猫のケイト。猫を飼うのは初めての一人暮らしのカオルは、自分の留守中ケイトをどうしたら良いのか、秘かに悩んでいた。そんな時、ひょんなことから、カオルの友人サクラの叔父夫婦の経営する猫カフェ「マリエ」で、ケイトは占い師のアシスタント猫として働き始めることになる。そこで出会う覇気のない猫達と、猫や占いや店の雰囲気に惹かれて集まってきた人間達との間に、様々なドラマが繰り広げられる。   カオルの家の前を横切る急な坂道は、通称「棗坂」。マリエのある駅前商店街や駅にもその名前が付けられていて、この棗坂界隈が物語の舞台となる。   ケイトの秘かな思い猫ショウ君と、超ワイルドな野良猫サビコも棗坂の仲間。カオルのご近所さんやマリエの常連さん達の愛情を一身に受け、ケイトはあっと言う間に人気ナンバーワンキャットになる。   あざとく可愛い家猫ケイトは、人間を上手く利用して猫の願いを叶えるための巧みな方法をマリエの猫達に伝授するが、それと同時に、自分でも知らないうちに発揮してきた自身の「属性」を、他の猫から教えられる。   何かに迷い、何かを失い、何かに傷ついた人間と猫達が、その関わりの中で新たな生き方を見つけだす、魂の再生のストーリー。   1960年代以降のジャズやブルース、シャンソン、現代Jポップ、オペラやクラシック音楽等が、物語に更なる彩りを添える。   絵画や音楽等の芸術、占いを通じての人生相談、猫の夢とあの世との往来といった不可思議な世界と、猫からみると逆に不思議な人間の価値観やその日常を、ケイトのモノローグで綴るファンタジーストーリー。   ただ可愛いだけではない、猫の独自の視点から人間社会を俯瞰し、改めてその存在を見つめ直す、猫目線の長編小説。 猫の好きな方にも、そうでない方にも、楽しんでいただける物語を目指して執筆しています。ご一読いただけると幸いです。